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企業の気候変動情報開示に活用できる GXTI:グリーン・トランスフォーメーション技術区分表とは

 2021年6月のコーポレートガバナンスコード改訂により、プライム市場に上場する企業は、気候変動関連情報の「開示の質と量を充実すべき」とされました。特許庁では、企業がグリーン・トランスフォーメーション技術を分析し、エビデンスに基づいて開示する際の一助となるよう、「GXTI (ジーエックスティーアイ、Green Transformation Technologies Inventory)」を作成し、今年6月に公表しました。

GXに関する特許情報、検索しやすく

 GXTIは、太陽光発電や水素の製造などのグリーン・トランスフォーメーション(GX)に関する技術のカテゴライズの仕方を示しています。さらに、各技術について「特許検索式」と呼ばれる文字列が示されており、該当する特許文献の検索に活用することができます。

 これまで、特定の技術に関連する特許について調べようとする場合、検索に習熟した特許の専門家でないと難しい状況でした。しかし、GXTIに示された「特許検索式」を使うことで、GXに関連する特定の技術が世界でどの程度あるのか調べることが可能となります。

 さらに、特許検索式に自社の名前を追加して検索することで、当該特許を自社で何件出しているかを示し、より客観的な、納得感のある情報として開示することが可能になります。

どうやって検索するの?実際に使ってみよう

 自社で契約する特許のデータベースがない場合でも、独立行政法人工業所有権情報・研修館が無料で公開している「J-PlatPat」というデータベースで検索することができます。
 例えば、「太陽光発電」を検索するには、J-PlatPatの特許・実用新案検索ページ「論理式入力」において、GXTIに示されている文字列(特許検索式含むエクセル版ファイル”O5セル”にある「H01L(31/04+51/42)/ip+H02S/ip+H02J7/35/ip」)を入力して、「検索」を押します。

GXTI:特許検索式含むエクセル版ファイル

J-PlatPat検索画面

 さらに出願人(企業など)で限定する場合には、「○○(企業名)/ap」を掛け合わせます。
 (例)[H01L(31/04+51/42)/ip+H02S/ip+H02J7/35/ip]*○○(企業名)/ap

 GXTIの技術区分単位で自社がどれだけの特許出願を行っているかを数字で示すことで、GX技術に関する自社の強みを客観的に説明することが可能になります。

企業の情報開示に活用を

 特許庁では、GXTIが、企業などがGX技術を特許情報に基づいて分析する際の共通資産になることを期待しています。今後具体的な活用方法を企業などに示すため、GXTIを用いて特許情報の分析を行った事例や、気候変動関連情報の開示を行った事例を募集し、順次掲載します。また、今後特許庁においても分析を行い、日本が強みを有する分野を発信する予定です。

特許庁 総務部 企画調査課

【関連情報】
グリーン・トランスフォーメーション技術区分表(GXTI)
特許情報プラットフォーム J-PlatPat
Green Transformation Technologies Inventory (GXTI): What It Is and How Companies Can Use It for Climate Change Disclosure|METI Quick Reads(英文記事)

【お問い合わせ】
特許庁総務部企画調査課知財動向班
電話:03-3581-1101 内線2155
電話:03-3580-5741
Eメール:PA0930@jpo.go.jp