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企業と大学との共同研究を深めるガイドライン


 AIやIoTなどの新たな動きに対応するには、1つの組織に閉じないオープンイノベーションが重要となっている。しかし、日本では、企業と大学との共同研究が、欧米に比べて小規模だ。

100万円未満の研究が4割

 海外での共同研究は、1件あたり1000万円以上の大規模なものが一般的だ。他方で、日本では、100万円に満たない少額のものが4割を占めている。欧米並みの1000万円を超える研究は、わずか4%しかない。

その理由は

 これは、大学や企業のどちらが悪い、というものではない。これまでの日本の慣行として、研究者の個人的な関係に基づいて共同研究が決断されてきたことが理由のひとつだと考えられる。大学や企業の、組織同士の研究戦略や経営判断が深く連携していないのだ。

組織的な連携がカギ

 そこで、文部科学省と経済産業省は、共同研究を強化するためのガイドラインを策定している。例えば、大学側での組織的な取組としては、学内の研究事例を具体的にまとめ、共同研究の成果目標や計画を含めて、企業にわかりやすく提案することをあげている。個々の研究者のツテでたどるよりも、大きな研究につながることが期待できる。

平均を超える水準を目指して

 また、共同研究の経費の積算根拠を明らかにした上で、大学側の人件費を含めることができると明確化した。これにより、企業にとっては、共同研究に投入した人件費などの経費と、得られた成果を具体的に比較できることになり、投資の判断がしやすくなると考えられる。
 今後、日本における共同研究の額を2025年度までに、OECD諸国の平均を超える水準にすることが目標だ。

【関連情報】
産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン