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統計は語る
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12月鉱工業生産：３か月ぶりの低下も基調判断は据え置き
2021年12月の鉱工業生産は、季節調整済指数96.5、前月比マイナス1.0％と、３か月ぶりの低下となった。
これまでの生産の動向については、2021年以降、半導体不足やアジアでの新型コロナウイルス感染症拡大に伴う部材供給不足などの影響から、９月まで低下基調での推移となった。
その後、部材供給不足の影響の緩和などにより、１０月、１１月と２か月連続で上昇したが、１２月は、前月の大幅上昇に対する反動に加えて、部材供給不足や物流逼迫などの影響を受けて、再び低下した。
この結果、2021年12月の生産水準は、2021年10月（指数値91.1）以来の低い水準となった。
１０業種が前月比低下、５業種が前月比上昇
12月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、10業種が前月比低下、5業種が前月比上昇となっている。
12月は、前月の大幅上昇に対する反動に加えて、部材供給不足や物流逼迫などの影響を受けて、汎用・業務用機械工業や生産用機械工業など、多くの業種が低下したことから、全体として低下した。
主な低下寄与業種についてみると、まず、低下寄与の最も大きかった汎用・業務用機械工業は、水管ボイラや汎用内燃機関等が主な低下要因となっている。水管ボイラについては、前月に大規模な取引があったことからの反動などにより、低下した。汎用内燃機関については、部材の供給不足や物流逼迫の中にあって、稼働日の減少などを受けて低下した。
また、低下寄与２位の生産用機械工業については、半導体製造装置やプラスチック加工機械等が低下要因となっている。半導体製造装置については、堅調な水準を維持しているものの、これまでの実績の反動などにより、低下したと考えられる。プラスチック加工機械については、海外からの受注の減少などにより、低下した。
出荷は３か月ぶりの低下
12月の鉱工業出荷は、季節調整済指数95.2、前月比マイナス0.1％と、３か月ぶりの低下となった。
業種別にみると、全体15業種のうち12業種が低下、３業種が上昇となった。
12月は、自動車工業が上昇を継続したものの、汎用・業務用機械工業や生産用機械工業など、多くの業種が低下したことから、全体として低下した。
主な低下寄与業種についてみると、まず、低下寄与の最も大きかった汎用・業務用機械工業は、汎用内燃機関や水管ボイラ等が主な低下要因となっている。生産と同様の理由により低下したものと考えられる。
また、低下寄与２位の生産用機械工業については、半導体製造装置やショベル系掘削機械等が低下要因となっている。半導体製造装置については、生産と同様の理由により低下したものと考えられる。ショベル系掘削機械については、物流逼迫の影響などを受けて、低下したと考えられる。
財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、耐久消費財が前月比5.5％の上昇、資本財（除．輸送機械）が同0.7％の上昇であった。一方、非耐久消費財は同1.5％の低下、生産財は同0.2％の低下、建設財は同1.5％の低下となった。耐久消費財は、普通乗用車や小型乗用車などの上昇を受けて、３か月連続で上昇した。
在庫は４か月連続の上昇
12月の鉱工業在庫は、季節調整済指数101.2、前月比0.5％と、４か月連続の上昇となった。
業種別にみると、15業種のうち10業種が上昇、５業種が低下となった。
上昇寄与業種の中では、特に、石油・石炭製品工業の上昇寄与が大きくなっている。石油・石炭製品工業では、設備の定期修理が完了したことなどにより生産が上昇する一方で、出荷が低下したことを受けて、在庫が増加したと思われる。
在庫率は上昇
12月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数116.5、前月比0.1％と、３か月ぶりに上昇した。
業種別にみると、15業種のうち10業種が上昇、４業種が低下、１業種が横ばいとなった。
在庫循環図をみると、2020年第４四半期と2021年第１四半期は、「意図せざる在庫減局面」にあり、2021年第２四半期には、「在庫積み増し局面」に達した。第３四半期も継続したが、第４四半期（速）では、「在庫積み上がり局面」に達している。
しかしながら、部材調達不足などによる生産減少の影響が含まれていることなどから、今後、もうしばらくその動向を注視していくことが必要だ。
12月の生産の基調判断は、「持ち直しの動きがみられる」に据え置き
12月の鉱工業生産は、前月比1.0％の低下となった。生産は、2021年７月から９月まで、部材供給不足の影響などにより３か月連続で低下したが、10月と11月は、その影響が緩和されたことなどを受けて、２か月連続で上昇した。12月は、前月の大幅上昇に対する反動に加えて、部材供給不足や物流逼迫などの影響を受けて、自動車工業が上昇を継続したものの、汎用・業務用機械工業や生産用機械工業など、多くの業種が低下したため、３か月ぶりに低下した。
また、先行きに関しては、企業の生産計画では、１月と２月はともに上昇となっており、１月の値は前月比0.6％の上昇となり、ならしてみると持ち直しの動きにあると考えている。ただし、変異タイプの新型コロナウイルス感染症の拡大による内外経済への影響や、部材調達不足の影響などが顕在化してきている点には注意する必要がある
こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の12月の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」に据え置く。
なお、今後も変異タイプの新型コロナウイルス感染症の拡大による内外経済への影響や、部材調達不足の影響などについて、引き続き注視していく。
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