TPP、EPA、FTA・・・何が違う?
2015年、TPPが大筋合意に至ったが、貿易交渉ではいろいろな略語がとびかっている。
はじまりはWTO
世界の貿易ルールを決めるWTO(世界貿易機関)は、161の国と地域の「全会一致」が原則。しかし、先進国と途上国が対立し、2001年から開始した交渉は、停滞してしまった。
関税のFTA、より幅広いEPA
そこで、「二国間での交渉」が主流になった。関税の撤廃・削減を定めるFTA(自由貿易協定)や、関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めたEPA(経済連携協定)が該当する。日本は、シンガポールとのEPAが初めてだった(2002年)が、いまや世界全体で271もの協定がある。
4つの地域間交渉
このまま二国間の交渉を続けるのは、さすがに非効率。そこで、地域でまとまって交渉する動きが4つでてきた。そのひとつが、①「TPP」。太平洋を囲む12か国が参加している。他の3つはまだ交渉中だが、②「日EU・EPA」、③アメリカとEUと間の「TTIP」、そして東アジアというくくりで④「RCEP」。ここにはインドや中国、韓国、ASEAN全加盟国なども参加している。
なお、④の地域では、「日中韓FTA」も交渉中である。また、①と④を包含し、アジア太平洋全域にまたがる「FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)」という壮大な構想もある。
TPP合意が大きなきっかけに
今回のTPPの大筋合意で、関税やルールについての相場観ができた。これを大きなきっかけとして、日EU・EPAやRCEPの交渉を加速していく。
・WTO(World Trade Organization 世界貿易機関)
・FTA(Free Trade Agreement 自由貿易協定)
・EPA (Economic Partnership Agreement 経済連携協定)
・TPP(Trans-Pacific Partnership 環太平洋パートナーシップ)
・TTIP(Transatlantic Trade and Investment partnership 環大西洋貿易投資連携協定)
・RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership (アールセップ)、東アジア地域包括的経済連携)
・FTAAP(Free Trade Area of the Asia-Pacific (エフタープ)、アジア太平洋自由貿易圏)>
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