3か月ぶりに上昇した7月のサービス産業活動指数
卸売、金融・保険業などプラスに寄与
過去最高水準に近く
本年7月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値106.9、前月比0.1%と3か月ぶりの上昇となった。
本年4月に3か月ぶりの上昇をみせた後、5月、6月は小幅な低下となり、7月は小幅な上昇となった。水準としては、2010年基準(2008年1月~)では、本年1月、4月に次いで、5月と並び第3位となっており、過去最高水準に近い値は維持している。
11業種中6業種が前月比上昇
7月の業種別の動きをみると、全11業種のうち、6業種が前月比上昇、4業種が前月比低下、1業種が横ばいだった。
上昇寄与が大きかった業種は、卸売業、「金融業, 保険業」、「運輸業, 郵便業」が挙げられる。卸売業に関しては、今年に入り弱い動きが続いていたが、6月、7月と2か月連続での上昇となった。「金融業, 保険業」は、2か月ぶりの上昇となった。「運輸業, 郵便業」に関しては、3か月ぶりの上昇となった。
一方、低下寄与が大きかった業種は、小売業、「医療, 福祉」、電気・ガス・熱供給・水道業だった。小売業は、今夏の梅雨明けの遅れの影響もあったと考えられるが、3か月連続の低下となっている。電気・ガス・熱供給・水道業も3か月連続の低下となった。
対個人/対事業所サービスの動向は
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けることができる。
7月の対個人サービス活動指数は、指数値107.3、前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下だった。対事業所サービス活動指数は、指数値106.5、前月比0.2%と3か月ぶりの上昇となった。
それぞれの指数のこれまでの推移をみると、ともにおおむね上昇基調で推移してきたものの、広義対個人サービスに関しては、このところ上昇の勢いにやや一服感も感じられる。
「製造業依存型事業所向け」は伸び悩み
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、製造業依存型と非製造業依存型に分けることができ、それぞれの指数も計算している。
7月は、非製造業依存型事業所向けサービスは前月比0.4%と2か月連続の上昇となったが、製造業依存型事業所向けサービスは前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下だった。
それぞれの指数のこれまでの推移をみると、非製造業依存型事業所向けサービスは緩やかながら上昇傾向を続けてきた一方、製造業依存型事業所向けサービスは伸び悩んでいる。
「し好的個人向け」は横ばい傾向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる非選択的サービスと、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられるし好的サービスに分けられ、それぞれの指数も計算している。
それぞれの動向についてみてみると、7月は非選択的個人向けサービスは前月比横ばい、し好的個人向けサービスは前月比マイナス0.3%と2か月ぶりの低下だった。し好的個人向けサービスの後方3か月移動平均値をみると、このところ横ばい傾向で推移している。
基調判断「高い水準で横ばい」に
7月のサービス産業活動指数は前月比0.1%と、3か月ぶりの前月比上昇だった。指数水準としては106.9と、今基準内では本年1月、4月に次ぐ高い水準を維持している。ただ、このところの指数の動きをみると、5月、6月は前月比マイナス0.1%低下、7月は前月比0.1%上昇と、横ばい程度での小幅な動きにとどまっている。水準としては過去最高水準に近い高い水準を維持しているものの、指数の上昇の勢いにはこのところやや一服感もみられるところである。
こうした動きを踏まえ、7月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断は、「高い水準で横ばい」としている。
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