統計は語る

12月のサービス産業活動指数は、「金融業,保険業」、「情報通信業」などの業種が上昇し、5か月ぶりの上昇。基調判断は、「一進一退」に据え置き

12月の第3次産業活動指数は、前月比上昇

12月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値101.9、前月比0.1%と5か月ぶりの上昇となった。

これまでのサービス産業活動は、2024年7月が上昇、8月が低下、9月、10月が2か月連続で横ばい※1、11月が低下となった後、12月は「金融業,保険業」、「情報通信業」などの業種が上昇したことから、全体として5か月ぶりの上昇となった。

※1 11月分公表時点では、2024年9月は低下、10月は上昇となっていたが、前月、前々月、3か月前の過去3か月分の指数値を遡及計算した結果、9月、10月ともに横ばいとなった。

業種ごとの動向

12月の業種別の動きをみると、11業種中、5業種が前月比上昇、6業種が同低下となった。

12月は、「金融業,保険業」、「情報通信業」などの業種が上昇したことから、全体として上昇した。

「金融業,保険業」は、前月比3.6%と、4か月ぶりの上昇となった。内訳業種では「保険業」、「銀行業・協同組織金融業」等が上昇に寄与した。また、「情報通信業」も、前月比2.6%と2か月ぶりの上昇となった。内訳業種では「情報サービス業」、「インターネット附随サービス業」等が上昇に寄与した。一方で、「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス2.1%と3か月連続の低下となった。内訳業種では「道路貨物運送業」、「郵便業(信書便事業を含む)」が低下に寄与した。また、「卸売業」は前月比マイナス1.6%と2か月連続の低下となった。内訳業種では「飲食料品卸売業」、「その他卸売業(機械器具を除く住関連卸売業)」が低下に寄与した。

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

12月は、対個人サービスが、指数値101.6、前月比マイナス0.2%と2か月ぶりの低下、対事業所サービスが、指数値102.3、同0.4%と2か月ぶりの上昇となった。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

12月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス0.8%と低下、非製造業依存型事業所向けサービスが同0.8%と上昇となった。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。

12月は、非選択的サービスが前月比0.2%、し好的サービスも同0.5%となり、ともに上昇した。※2

※2 季節調整の関係で、広義対個人サービス全体の動きと、非選択的/し好的個人向けサービスの動きが一致しないことがある。

12月時点の基調判断は、「一進一退」に据え置き

12月のサービス産業活動指数は、「金融業,保険業」、「情報通信業」などの業種が上昇したことから、全体として前月比0.1%と、5か月ぶりの上昇となった。

また、2024年8月が同マイナス1.4%と低下、9月が同0.0%と横ばい、10月も同0.0%と横ばい、11月が同マイナス0.3%と低下、そして今回12月が同0.1%と上昇となっており、均してみると、引き続き一進一退の状態にあると考えられる。

このため、サービス産業活動指数の12月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。

なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」