消費者の「こうなればいいのに」から生まれる製品の「決まりごと」
消費者の声がきっかけで新たな規格が生まれることがあります。多くの企業が新商品に反映することで、より安心・安全で、使いやすい製品が私たちの身の回りに増えていきます。
消費者の声が「標準」になった例
例えば、シャンプーの容器。「シャンプーとリンスの容器が同じで紛らわしい」「髪を洗う時、目をつぶっていても区別がつくといいのに」といった声に応えて、容器に「きざみ」を入れたシャンプーが1991年に発売されました。その後、この「きざみ」がJIS(日本産業規格)となり、今ではほとんどのシャンプーの容器に採用されています。
例えば、容器のフタ。加齢などで身体能力が低下した方などの「フタを開けるのに苦労している」というお悩み。こうした事情を抱えた方々でも扱いやすい容器が増える社会を目指して包装に関するJISが定められました。持ちやすく、滑りにくく加工する、といった基準をつくったことで、多くの方々にとって使いやすい製品が広がっています。
このように、消費者の方々が日々の不便や悩み、心配や疑問を伝えてくださることで、「標準」が定められて、企業が新たな製品に反映する。その結果、私たちの生活の中に、誰にとっても安心・安全で、使いやすい製品やサービスがどんどん増えていくのです。きっかけは、消費者のみなさまの「こうなればいいのに」という声。
みなさまの「気づき」を「標準」へ
みなさまが生活していて「これって危険じゃないかな?」「使いにくいな…」「私は問題なく使えるけど、私の子どもや親には心配だなぁ」などと感じることがあれば、ぜひその「気づき」を声にしてください。届け方は簡単、こちらにアクセスしてみてください。上記の例のような「標準化」を通じて、みなさまの日常生活をより安心・安全で、快適なものにできないか、検討させていただきます。
10月は産業標準化推進月間です。「産業標準化」とは、特定の製品・サービスについて「標準」(任意の決まり)を作ること。産業標準化で共通規格が決まったり、品質の基準が明確になったりすることで、消費者は安心して商品を選べるようになるし、企業は自社の商品を売り込みやすくなります。もっと多くの企業や消費者に産業標準化に参加していただくことで、安心・安全で使いやすい製品・サービスが増え、日本企業の市場を創出・拡大する可能性が高まります。
経済産業省 基準認証調査広報室
【関連情報】
・TOKYO FM『杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより』 10月13日放送「自ら提案できる未来のルール! 製品やサービスの標準化」