統計は語る

1月のサービス産業活動は、4年ぶりの行動制限のない冬期休暇などにより、サービス消費が増加したことなどから2か月連続の上昇。1月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に据え置き

1月の第3次産業活動指数は、前月比上昇

1月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値100.9、前月比0.3%と2か月連続の上昇となった。

これまでのサービス産業活動は、2023年9月は、生活娯楽関連サービスを中心に多くの業種が低下したことなどを受けて、10月は、電気・ガス・熱供給・水道業を始めとして多くの業種が低下したことなどを受けて、11月は、生活娯楽関連サービスを中心に多くの業種が低下したことなどを受けて、3か月連続で低下していた。

その後、12月は、これまでの低下の反動に加えて、事業者向け関連サービスなどを中心に、多くの業種が上昇したことなどを受けて、全体として上昇していた。

こうした中、2024年1月は、生活娯楽関連サービスなどが上昇したことなどを受けて、全体として、2か月連続で上昇した。

業種ごとの動向

1月の業種別の動きをみると、11業種中、5業種が前月比上昇、6業種が同低下となった。

1月は、4年ぶりの行動制限のない冬期休暇などにより、サービス消費が増加したことなどを受けて、生活娯楽関連サービスなどが上昇したことなどから、全体として上昇した。

生活娯楽関連サービスは、前月比9.6%と、2か月連続の上昇となった。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」や洗濯・理容・美容・浴場業などが上昇に寄与している。これらについては、4年ぶりの行動制限のない冬期休暇などにより、サービス消費が増加したことなどを受けて、上昇したものと考えられる。

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

1月は、対事業所サービスが、指数値99.6、前月比マイナス1.2%と低下する一方で、対個人サービスが、指数値101.5、同0.7%と上昇した。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

1月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス4.7%と低下する一方で、非製造業依存型事業所向けサービスが同0.2%と上昇した。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢などの影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。

1月は、非選択的サービスが前月比マイナス1.3%と低下する一方で、し好的サービスが同0.0%と横ばいとなった。

1月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に据え置き

1月のサービス産業活動指数は、4年ぶりの行動制限のない冬期休暇などにより、サービス消費が増加したことなどを受けて、生活娯楽関連サービスなどが上昇したことなどから、全体として前月比0.3%と、2か月連続の上昇となったが、これまでの低下を取り戻してはおらず、均してみると、引き続き足踏みの状態にあると考えられる。

このため、サービス産業活動指数の1月の基調判断については、「足踏みがみられる」に据え置く。

なお、今後は、自動車工業における工場稼働停止の影響や物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」