60秒早わかり解説

Z世代はゲームで企業を知る?!

幕張メッセで開催されたeスポーツ大会の様子

経済産業省では、成長産業であるゲーム・eスポーツへの投資環境を整備するため、海外で活用が進むゲーム・eスポーツを活用した広告のマーケティング効果について調査を行いました。調査では、今後、世界最大の消費者層になると言われるZ世代※の購買行動の変化に、ゲームやeスポーツを通じたアプローチが有効であることが示されました。
※Z世代の定義は様々ですが、本記事では10歳から25歳程度までをZ世代とします。

消費を牽引する主要セグメントとして注目されるZ世代

世界のZ世代の人口は、2020年時点で約24%、購買力は約15兆円と推定されており、ベビーブーム世代からの富の移転も見込まれることから、今後さらに購買力が伸びることが予想されています。少子高齢化が進む国内でも、ライフタイムバリュー(一人の顧客から生涯にわたって得られる利益)を考慮すると、今後消費の中心となる世代として注目されています。

Z世代の約8割がゲームを経験 「インゲーム広告」の可能性

ゲームの世界市場規模は2023年に2,046億USD、ゲームプレイ人口は30.5億人になる見込みです。

世界のゲーム市場規模・ゲームプレーヤー人口

ゲームをプレイするだけでなく、視聴するという楽しみ方も広がっています。新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅で楽しめるゲームは全世代において流行していますが、特にZ世代は約8割がゲームを経験しており、利用時間や消費する金額が他の娯楽より多い傾向です。
ゲームのマップ上など作中に提示される「インゲーム広告」は、他の媒体と比較しても単価が低い傾向にあり、Z世代へのターゲティングの観点でも有効であることが調査で示されています。海外での活用事例は多く見られますが、日本でのビジネスとしての確立はこれからという状況です。

Z世代にファンが多い eスポーツへの「スポンサーシップ」

eスポーツは「electronic sports」の略称で、対戦型コンピューターゲームをスポーツ・競技として捉えるものを指します。世界のeスポーツ市場規模は2024年に17億USD、eスポーツ人口は5.8億人に到達する見込みです。

世界のeスポーツ市場規模・eスポーツ人口

eスポーツ広告市場は、eスポーツ市場の約6割を占め、アメリカでは、2.3億USDにまで成長しています。日本国内においても成長が期待される領域であり、多様な企業がスポンサーとして参入しています。
eスポーツのスポンサーシップ先は主に「選手・チーム」、「イベント」、「施設」があります。eスポーツ選手のファンはZ世代が多く、プロeスポーツチーム・選手に対するスポンサーシップをきっかけとして商品を購入した消費者のうち、Z世代においては、半数以上が購入した商品を他者に推奨していることがアンケート調査でわかりました。

出典:令和3年度コンテンツ海外展開促進事業 (Z世代におけるeスポーツおよびゲーム空間における広告価値の検証事業 報告書)

新たな広告媒体としての可能性に注目!

ゲームやeスポーツへの広告出稿は、他のコンテンツやメディアに比べZ世代の購買行動の変化に有効であり、企業の商品・サービスなどの認知向上の効果に加え、SNSなどでの二次的宣伝効果にもつながることが調査で示されています。
企業が広告出稿を行うことで、ゲームやeスポーツ市場の発展にもつながります。海外でマーケティングへの活用が進むゲームやeスポーツ、広告媒体としての可能性に今後も注目です。

商務情報政策局 コンテンツ産業課

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