60秒早わかり解説
企業秘密、しっかり守れてますか?
技術やノウハウ、顧客や取引先の情報などは、企業にとって大切な秘密だ。しかし、日本の大企業のうち、なんと3割もの企業が「企業秘密の漏えい、または漏えいのおそれがあった」と回答している。あなたの会社は大丈夫だろうか。
1000億円超の損害も
鉄鋼や半導体などの産業では、重要な製造技術がライバル会社に漏れた場合、トータルで1000億円を超える損害となることがある。漏えいの経路は、転職する社員が持ち出す場合や、共同研究の際のトラブルなど様々だ。企業秘密の漏えいは、犯罪として警察も捜査するが、被害企業も、損害回復のために民事で訴訟しなくてはならない。
他社から、逆に訴えられる?!
また、自社が被害者になるだけではなく、ライバル企業から突然訴えられる、というリスクもある。競争が激しい分野では、「以前から自前で研究開発していた」ということを裁判で立証できるよう、日頃からきちんと記録・管理しておくことも大事だ。
メリハリをつけて対策を
情報は、活用してこそ、その価値を発揮する。秘密情報であっても、金庫のように常時鍵を掛けて保管し、事業に一切使わないのでは意味がない。有効利用と管理のバランスをとって、秘密の程度に応じて分類し、社員の誰にアクセス権を与えるのか、という細かな工夫も重要だ。また、社員同士のコミュニケーションを密にとるのも、漏えいを防ぐ効果があるという。
「漏えいはない」と回答した企業も、その約3割は、そもそも何も対策をしていない。具体的な事例を参考にして、情報漏えいが起こらないよう、万全の備えをお願いしたい。
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